-STORY
「今回の結果は父に捧げるつもりだよ」
SUPER DARTSディフェンディング王者であるスコット・カーシュナー。ある想いを胸に秘め、この大舞台に出場する。
亡き父への想い
THE WORLDを主戦場として出場し続けていたカーシュナー。2014年シーズンでSTAGE 1に出場したが、続くSTAGE 2から、カーシュナーは欠場し続けることになる。
「出場することが難しい状況だったんだ。父が病気で、彼との時間を過ごすためにね。父が亡くなったのは、9月だったよ」
その後カーシュナーは、THE WORLD STAGE 5のラスベガス大会に出場した。
「すごく辛かったよ。父とはとても良い関係を築いていたからね」
カーシュナーにダーツを始めるきっかけを与えたのは、父親だった。子供の頃、試合に誘われ父親と一緒にプレイした。
「その夜は6戦して2回も勝ったんだ。ダーツをしたこともない自分がね。次の日にはダーツボードを買って、それ以来毎日4~6時間は練習しているよ」
亡き父との大切な想い出をカーシュナーは語る。
「すごく辛い一年だった。でも父が望んでいることは、私の選手としての成長だ。だからやるしかないんだ」
ディフェンディング王者として
カーシュナーの強みは安定したダーツ。ベテランらしく好調不調の波が少ない。SUPER DARTSは大舞台であり、そのプレッシャーは出場プレイヤーたちを苦しめる。カーシュナーも例外ではない。しかしこのベテラン選手は、その感情をコントロールできる術を持っている。
「私の最大の強みはメンタルだね。状況を冷静に把握して自分に言い聞かせるんだ。『自分は25年も投げているんだ、慣れたものさ』ってね」
そうしたプレッシャーとライバルたちに勝利した結果、何が残るのだろうか。
「あんな大きな大会で世界トップレベルのプレイヤーたちを押しのけて自分がトップに立った気分は最高だよ。いろんな意味で世界が変わったね。人生で一番興奮する出来事だったんじゃないかな。高いレベルで闘い続けるためには自分にチャンスを与えていくんだ。勝つためにはそれが必要だよ。去年も言った通り、そのチャンスを自分は作れるし、自分にはできると信じてるよ」