-STORY
「ダーツが好き」というありふれた言葉。
その言葉を口にするプレイヤーは大勢いれど、勝見翔ほど説得力のある者はそういない。彼と話すたびに、そう思わされる。
一戦一戦大切に
勝見の練習量は、1日5~6時間。それを1年365日繰り返す。その作業を何年も続けている。
「正確には、試合前日と試合の後の日は練習量が半分くらいになったりするんですけど、それ以外に関してはほとんど欠かすことはないですね」
真面目である。「毎日やってます」と簡単に言えばそれで済むところを、あえて「毎日」という簡単な言葉で片付けない性格。
「趣味は何ですかって聞かれるのが一番困るんですよね。特にないっていうか。ダーツに携わる時間がとても長いですし、ダーツは今でもとても楽しいので、趣味を兼ねてるって感じですかね」
同等の練習量をこなしているプロもいるかもしれない。しかし勝見のように「趣味」や「生活」においてもダーツ以外の匂いがしないプレイヤーは、そう多くはない。そういう真面目さや、ひたむきさが勝見翔というプレイヤーの強さなのかもしれない。
そしてインタビューで、必ず口にするフレーズがある。
「一戦一戦大切に」
その後に続く言葉も、勝見翔というプレイヤーの誠実さを良く表した言葉ではないだろうか。
いつもと同じダーツを
勝見にとって、SUPER DARTSは他の試合と変わらない。しかしそれは、決してSUPER DARTSを軽んじているわけではない。目の前の試合は彼にとってどれも重要な試合なのだ。
「集中力を切らさずに、目の前の試合だけに向かっていくことだけが一番いい結果につながるかなと思ってます。作戦ですか? ないですね、正直いって。対戦相手が誰だからこういう攻め方をしようっていうのは、僕はどちらかというとしないんで。またSUPER DARTSだからといって、急に練習量を増やしてオーバーワークになることもありません。いつものダーツをぶつけることが一番だと思ってます」
そしてもう一度自分に言い聞かせるように、勝見は「一戦一戦」という言葉を使った。
「繰り返しになりますが、一戦一戦大事にしたいっていうのは、本当にそうなんです。SUPER DARTSに出るまでは、すごく楽しみでワクワクしてるでしょうね。でも試合がはじまれば、必ずシビアな試合になると思うんで、そこはいつもとと同じように臨むことが自分の一番いい結果につながっていくと思います」