ダーツライブが主催する全国トーナメントツアーの最終決戦として生まれた。当時、若者を中心にソフトダーツが盛り上がりを見せていた日本。その楽しみ方は、友人らとプレーして遊ぶ、試合に参加して腕を競うというものが中心だったが、SUPER DARTSは初めてダーツに「観る」という楽しみを提唱した。
チケットを購入し、ダーツ観戦へと足を運ぶ―
そんな全く新しい形のエンターテイメントが誕生。およそ2万人の頂点を決める闘いに相応しくショーアップされたSUPER DARTSには、日本中のダーツファンが注目した。
大盛況で終えた第1回SUPER DARTS。日本のソフトダーツは一種のムーブメントとなり、急激に加速している最中だった。人気の高まりとともにダーツ人口も急増、全国各地で多くの大会が開催されるようになる。
そんな中、大規模トーナメントの先駆けともいえるSUPER DARTSは年々スケールを拡大。全国を勝ち抜いてきた選手のみならず、日本でダーツが一般的になる前から活躍していた既存のプロや、さまざまな大会のチャンピオンを招待するなど、一つの枠にとらわれないトーナメントを構築していったのだ。
こうしてSUPER DARTSでは、これまで闘うことのなかった選手や各大会のチャンピオンによるマッチングが実現。真のナンバーワンを決めるトーナメントという色合いを強めながら、選手たちにとっても特別な大会へと成長していく。
SUPER DARTSが回を重ねるほど、日本のソフトダーツのレベルも上昇。日本のソフトダーツの歴史は、SUPER DARTSとともにあるといっても過言ではないかも知れない。
近年では、国境やハードダーツかソフトダーツかという垣根を超え、世界で活躍する一流選手たちが集う場所として定着した。一方でダーツファンにとっては、ハイレベルな試合そのものはもちろん、他では決して見られないような選手たちの表情やパフォーマンス、スローラインに立つ選手の鼓動が聞こえてきそうな究極のステージとして楽しまれるようになった。
全国大会の決勝戦に過ぎなかったSUPER DARTSが、世界で注目される大会の一つとして認識されるようになったいま、日本の選手が世界の選手と遜色なく肩を並べるようになったのだから感慨深い。
SUPER DARTSから生まれたスターは数知れない。SUPER DARTSは、日本のソフトダーツ繁栄を支えてきた側面もある。日本のソフトダーツ黎明期にSUPER DARTSで優勝した江口祐司や星野光正が、その後の日本におけるソフトダーツを牽引してきたことは誰の目にも明らかだ。
日本ソフトダーツのいわば“顔”となった彼ら。彼らのダーツを生で見るために、彼らが矢を投げれば周囲には人だかりができた。また、テレビや雑誌等のメディアにおいて、彼らがダーツのプロとして取り上げられるとダーツを始める若者が増加。江口や星野が使用するバレル、フライトといったダーツグッズはたちまち人気商品となった。
また、ダーツ歴1年7か月という無名状態でSUPER DARTSに出場した鈴木猛大は、その入賞をきっかけに一躍有名選手となった。すでに有名だった選手においても、たとえばPDC出場などで活躍していた村松治樹は、SUPER DARTS出場によって新たなファンを獲得し、より高い人気を得ている。
ここで、過去の優勝者を振り返ってみよう。第1回となる2007年は江口祐司、2008年、2009年が星野光正(SUPER DARTSを連覇した星野は日本ダーツのシンボル的存在となった)、2010年が勝見翔、2011年が橋本守容、2013年がスコット・カーシュナー、2015年がポール・リム、2017年が小野恵太…、錚々たる顔ぶれからもSUPER DARTSのスケールがお分かりいただけるだろう。
ソフトダーツは個人競技ではあるが、そこで生まれる感動は個人に限ったものではない。人と人をつなげ、ともに喜びや興奮を共有できるスポーツだからこそ、ここまで広がりを見せてきたのだろう。
SUPER DARTSでは店舗での観戦会やLIVE生中継を通して、当日会場へ足を運べないファンにもリアルタイムでその興奮と感動を届け続けている。
いつもは音楽や人々の笑い声で賑わうダーツバーでも、SUPER DARTS当日だけは、皆でスクリーンに映し出される選手の一挙手一投足を一心不乱に見入っている、というのはよくある光景だ。
会場のみならず店舗や自宅でLIVE中継をみている世界各地のダーツファンと、その興奮の瞬間を共有できるエンターテイメントでもあるSUPER DARTS。ダーツの醍醐味である、あの一投一投の瞬間的な興奮とフィニッシュ時に沸き起こる歓声は、闘いに幕が下りるまで止むことがない。
そしてSUPER DARTS 2018。
11年目という新しい境地にふさわしい今大会には、まさしく世界最強王者を決めるにふさわしい舞台が用意される。出場するのは、世界各地のビッグトーナメントにおける優勝者や上位選手たち16名。今後、SUPER DARTSがどのように世界中のダーツファンを楽しませ、どう進化を遂げていくのか。そんなことを考えながら、16名の闘いを堪能したい。